遺言の作成について

遺言書の作成は種類によって法律で書き方が定められています。ご自身の意向・目的に合った遺言書を作成し、法的に有効なものにするためには民法の規定をしっかり確認する必要があります。

遺言書の作成において最も重視しなくてはいけないのは、遺言の目的です。遺言を残すことにより何を実現したいのかを、しっかりと定めておくことが重要です。

以下では遺言作成において気を付けるべき点を述べたいと思います。

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遺言書作成するメリットって?

遺言書があればその内容が法定相続分よりも優先されます。しかし遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行って分割方法などを決めます。 これは遺言書によりご自身の意思に基づいた遺産分割を指定することが可能です。
また、相続人以外への遺贈も可能です。
例えば、ご家族以外の方がお世話をしてくれて感謝の気持ちを残したいとしても、配偶者と子ども以外は法定相続人ではなく、相続する権利はありません。
このような場合に、法定相続人ではない人に財産を残したい場合は遺言を残す事でご自身の意思を伝えて実現することが可能となります。

※遺留分とは

配偶者・子ども・孫などの直系卑属、親・祖父母などの直系尊属には最低限相続できる遺留分が認められています。それにより特定の相続人に多めに遺産を相続させたいと思っても希望通りにならないことがあります。
その割合は法定相続人が誰になるかにより異なります。

遺言書の種類

遺言書の種類は主に、自筆証書遺言、公正証書遺言の2つがあります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、民法の様式に則り本文全てが本人により自筆されたものです。
ただし、財産目録についてはパソコン等で作成したものでも認められます。但し、毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあってはその両面)に署名押印が必要です。
さらに通帳や登記簿謄本のコピーなども目録として添付することもできます。
自筆証書遺言には、立会人が不要です。

自筆証書遺言のメリット

  • 費用が掛からず、手軽に作成できる
  • 遺言を作成したこと、またその内容を誰にも知られず作成できる

自筆証書遺言のデメリット

  • 遺言の実現が不確実であること
  • 自筆性や遺言能力の有無で無効となる可能性がある
  • 裁判所による検認が必要

現在では、自筆証書遺言を法務局で保管できる制度があります。

自筆証書遺言書保管制度のメリット

  • 紛失や改ざんのリスクがない
  • 相続人に遺言書が保管されていることを通知させることができる

自筆証書遺言書保管制度のデメリット

  • 「形式」が有効であるかのチェックがあるだけで、「内容」が有効であるかの確認はしてくれない

公正証書遺言

公証役場で公証人に作成してもらう遺言書です。
公正証書遺言を作成する際には本人の意思を反映して作成されたかどうか、また本人に正常な能力があったかどうかを判断確認する証人が2人以上必要となります。
原本は公証役場に保管され、正本と謄本をご自身や遺言執行者が保管します。

公正証書遺言のメリット

  • 紛失や改ざんのリスクがない
  • 公証人が作成するため、文案に法律上の不備がない

公正証書遺言のデメリット

  • 作成にあたり、財産の額に応じて費用がかかる

幣事務所では、お客様のご希望に一番沿った形の遺言作成をお手伝いさせて頂きます。

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